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抵抗分割計算

(2018.10.9 作成) 

 いろいろと回路を検討していると右図のように抵抗分割で所望の電圧を得たい場面にしばしば遭遇します。この際、作りたい電圧が入力のちょうど半分なら上下の抵抗を同一にすることで簡単に実現することができます。

 しかし例えば5Vから3.3Vを作る場合など、ちょうど半分でない場合は抵抗をうまく選択してあげる必要があります。この抵抗値をどう選べばよいか計算してくれるサイトも複数あり、とても助かるのですが、管理人としてはあと一歩のところで使いづらさを感じてしまいました。というのは

  • 抵抗の系列はE24とかE12などがデフォルトになっているが手元にすべてそろっているわけではない。できればE6などからも選びたい。
  • ちょうど抵抗分割ができなければ近似解を示してくれるが、できれば直列/並列を組み合わせてでも最良の解を出してほしい。
  • お勧めの選択肢を1つ示すのではなく、誤差とすべての可能性を出してほしい。そうすれば手持ちの抵抗から適したものを選べる。

です。ということでこれらを改善すべく自分で簡単なプログラムを作成したのでここで紹介したいと思います。

 本当はWebアプリにすることができればとても使いやすいと思うのですが、残念ながら管理人にはその力がないのであきらめてC#で作成しました。

ソフトの紹介

 左が今回作成したソフトの画面です。使い方は見ての通りなのですが、手持ちの抵抗の系列を選び、Vin/Voutを設定して計算ボタンを押すだけです。

 この際最大エラーの値以下になる直列/並列を組み合わせを100件まで計算します。計算結果はクリップボードにコピーされるので、後でエクセルなどで最適な組み合わせを選ぶことができます。

ソフト動作例

 参考として上記設定(E6系列の抵抗を使って3.3Vから0.5Vを作る)場合を例示します。ちなみにこの電圧設定はTI製のスイッチング電源で3.3Vを作成する際にFBピンに入力する電圧を設定する際のものです。

 さてソフト上でCalcボタンを押し、エクセルなどで開くと下記のようなデータになっています。色は見やすいように後で設定しています。

 各行が一つの組み合わせを示しており、一番上の行が最も誤差の少ない組み合わせです。一番右の列はエラー率を示していて、この例の場合は誤差がないということになります。よって3.3Vから0.5Vを作る際はE6系列の抵抗をだけで所望の電圧を得ることができることを示しています。

 具体的な抵抗値ですが、左の4列がそれぞれ左から(直列or並列)、R1,R2の抵抗値、R1とR2による合成抵抗を表しています。各抵抗値ですが、比率のみを計算しているので必要に応じて10^nする必要があります。例えばこの場合のR1では0.1となっていますが、10kや100kなどと読み替えて使用します。

 この一番上の例を実際の回路図として書いてみたものが右の図になります。上段の抵抗を10kΩと6.7kΩの直列接続、下段の抵抗を33kΩと3.3kΩの並列接続とすることで中点で見事に0.5Vの出力を得ることができています。

ソフトダウンロード

 今回作成したソフトは以下のリンクでソースコードとバイナリのセットをダウンロードすることができます。

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