カメラ

(2017.6.7 作成)

 CNCにカメラを設置する方法その2です。その1ではPythonの更新まで紹介しましたので、その2ではソフトの調整から実際に使用するまでになります。

bCNCの設定

 CNCを動かすために使用しているbCNCの設定です。下の画像のようにbCNCのTools画面のConfigグループの中にはCameraというボタンがあり、いかにもGUIで設定ができそうな雰囲気を醸し出しているのですが、本記事執筆時点のバージョン v0.9.9では対応していないようです。

 そこで実際の調整方法ですが、bCNCの設定ファイルはユーザーフォルダに格納されています。エクスプローラーのフォルダ名が入っているテキストボックスに"%UserProfile%"と打ち込むことでユーザーフォルダが開きます。通常は"C:\Users\<ユーザー名>"だと思います。

 この中に.bCNCというファイルがあり、ここに設定内容が保存されています。カメラ関係は[Camera]で始まるエントリが対応するのですが、すべての設定項目がここに書かれているわけではありません。

 実は.bCNCファイルにはデフォルトの設定から上書きされた項目が記載されているだけで、デフォルトの設定はbCNCのインストールフォルダのbCNC.iniに記載されています。

 このため例えばデフォルトと異なる設定を行う場合はbCNC.iniから該当エントリを.bCNCファイルにコピーし、上書きする値を入れることになります。

 例えば管理人の場合、PCに2台USBカメラが接続されており、今回使用するのは2台目のカメラなので bCNC.iniにある"aligncam"の項目を.bCNCの[Camera]エントリにコピーし

aligncam = 1

と記載しました。

 ここまで調整できれば右図のようにメイン画面中のカメラアイコンが押せる状態になります。実際に押すと右のようなカメラ画像が表示されるようになります。

Calibration

 ここまできてようやくカメラ位置の調整になります。調整については左図のようにProbe - Cameraを押して表示される項目を使用して行います。

 調整についてはあまり難しいことはなく、以下のとおり実施すると問題なくできると思います。

まず調整用に適当な端材を準備して

  1. カメラの水平/垂直があっていないときはまず最初にカメラを回転させ、軸を合わせて固定します。
  2. 調整用の穴あけ位置にエンドミル先端を持ってきて作業原点に設定します。
  3. 適当な深さまで穴をあける。
  4. カメラを適当な高さまで上げる。
  5. Register Spindleボタンをクリック。何も変化しないので不安になるのですが、下のステータスバーに登録されたとメッセージが控えめに出ます。
  6. カメラを動かして先ほどの穴中心が十字マークに重なるようにする
  7. Register Cameraボタンをクリック。
  8. Offsetの欄にエンドミル先端とカメラ位置との差が記入されます。

以上ですが、注意する点として4のカメラの高さには気を付けた方がいいかもしれません。

 実際に使用する場合はカメラ画像を見ながら位置決めを行うと思うのですが、この際エンドミルが十分高い位置にないとエンドミルとワークやクランプが干渉します。

 このためカメラ位置は多少高めに設定されることをお勧めします。しかし高すぎると位置決め精度が下がるので難しいところですが。。。

使い方

 ここまでくればあとは使うだけです。使い方は大体以下のようになると思います。

  1. Homing
  2. だいたいの加工原点に移動し、作業原点を設定。
  3. Probe → Camera → Switch to Cameraボタンを押す。すると調整したOffset量移動してカメラで調整できるようになる。
  4. カメラを見ながら位置調整する
  5. Probe → Camera → Switch to Spindleボタンを押す。すると逆に動いてスピンドルの位置が元に戻ります。

こんな感じで調整すると使用することができます。

 

 無事動きましたでしょうか?本記事がご参考になれば幸いです。