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FlatCAM使い方(1)

(2018.1.14 作成)

(2018.1.21 更新)

 このページでは切削で基板を作成するためにガーバーデータからGコードを作成する方法について紹介しています。使用しているソフトはすべてフリーで使用することができ、基板のデータ作成はKiCAD、データ変換はFlatCAMを使用しています。

 お試しの題材として図のLEDモジュールを基板を作ることを目標に説明してゆきたいと思います。

 基板が切削で作れるようになると工作の幅も広がるため、ぜひ使えるようになりたいところです。

 

 

切削用データ作成

 まずはKiCADを用いて回路パターンを作成します。パターン作成については多くのサイトで紹介されているのでここでは特に触れません。

 まずは片面基板が楽だと思いますので、片面だけにパターンを作成するようにします。

 またこの時に基板の加工原点を指定することを忘れないでください。

 KiCADからガーバーデータ、ドリルデータを出力します。

 出力するのは B.Cu(またはF.Cu)レイヤとEdge.Cutsレイヤになります。この際「原点に補助座標を使用」にチェックしておきます。ドリルデータは製造ファイル出力から出力できます。

 ドリルデータについては「PTHとNPTH穴データを一つのファイルにマージ」 にチェックを入れます。

FlatCAMでのGコード作成

 FlatCAMにて先ほど作成したガーバーファイルとドリルファイルを読み込みます。それぞれ"Open Gerber ..."と"Open Excellon ..."で読み込めます。

 全体の流れですが、FlatCAMでは読み込んだデータはそれぞれ"Gerber Object"と"Excellon Object"という型に変換されます。その後Gerber Objectについては工具の移動ルートであるツールパスを表す"Geometry Object"に変換し、最終的にはそれぞれから工具のフィードレートなどの情報を入れた"CNC Object"を作成します。

 CNC Objectで加工深さなどを設定し、Gコードファイルを出力することができます。くわしくはこちらを見てください。

データの左右反転

 まずはKiCADで作成したパターンが裏面であった場合は読み込んだファイルを左右反転します。

 反転はTool→Double-side PCB Toolをクリックし反転ツールを表示します。

 その後"Bottom Layer"に反転したいオブジェクトを選びMirror AxisをY,

Axis LocationをBoxに設定してすべてのレイヤーを反転します。

ドリルデータのGコード作成

 次にドリルデータからCNC Objectを作成します。

 Projectタブから先ほど読み込んだ***drlファイルをダブルクリックし、Excellon Objectの編集画面に入ります。そこで加工するToolsの穴を選んでGenerateボタンをクリックすることでCNC Objectが作成できます。

 CNC Objectが作成されるとProjectタブに新たに***.drl_cncというCNC ObjectができていますのであとはここでGコードファイルを出力できます。

配線パターンのGコード作成

 配線パターンについては配線の切り出しとベタ抜きパターンの2つの加工ファイルを作成します。

 まずは配線の切り出しとして先に読み込んでProjectタブにある***-B.Cu.gbrファイルをダブルクリックして編集します。

 その中の"Isolating Routing"が配線の切り出しなのでパラメータを適当に設定して "Generate Geometry"ボタンをクリックしてGeometry Objectを作成します。

 再びProjectタブに戻って新たにできている***-B.Cu.gbr_isoファイルをダブルクリックしてGeometry Objectの編集画面に入ります。

 ここでZ軸の切込み深さ等を設定して Generateボタンを押すことで配線パターン切り出し用のCNC Objectを作成します。

 Projectタブに戻って新たにできている *-B.Cu.gbr_iso_cncをダブルクリックしてCNC Objectの編集画面に入ります。

 Export G-Codeにスピンドルの回転数など出力されるGコードのヘッダ部分を記入してExportすることでGコードファイルが作成できます。

ベタ抜きパターンのGコード作成

 ベタの銅箔抜きパターンについては再度Projectタブに戻ってパターンのGerber Objectをダブルクリックして編集モードに入ります。

 先ほどのパターンの切り出しは"Isolating Routing"を使用しましたが今回は"Non-copper regions"を使用します。"Generate Geometry"をクリックしてまずは輪郭を抽出します。

 Projectタブに新たに"*-B.Cu.bbr_noncopper"というGeomerty Objectができているので再度これをダブルクリックして変種モードに入ります。

 次は"Paint Area"のMarginを適当にとって Generateボタンを押し,

抜きたい空白部分をクリックすることでCNCオブジェクトが作成できます。

 

 ここまでで貫通穴とパターン切削のパターンが作成できました。引き続き基板外形加工用のデータ作成を行います。ちょっと長くなってしまったので、次のページに続きます